【開催報告】野菜ソムリエが教える自然派食品に対する考え方

4月16日、高知で野菜ソムリエとして活躍される山本祥子(やまもとさちこ)さんをお迎えして、「野菜ソムリエが教える自然派食品に対する考え方」と題して講演していただきました。

まず、私が驚いたのは1960年から野菜の栄養価が半分以下になっているという事実です。

簡単にいうと1960年と同じ栄養素を摂取しようと思ったら2倍食べなくてはならないということです。

これにはいくつかの要因があるようです。

一つは旬。旬とはその野菜がたくさん取れて、栄養価の高い時期のことです。  

現在、野菜がハウスなどで年中取れるようになったことにより旬ではない時期でもその野菜が食べられるようになりました。しかし、旬から外れた野菜は栄養素も低くなってしまいます。野菜の栄養価は平均値を用いており、昔でしたら旬の栄養価の高い時期しか取れなかったものが、最近では年中取れるようになったがために栄養価の低い時期も合わせた平均値となってしまうために平均栄養価として低くなってしまうということです。

効率よく栄養素を摂るためも野菜の旬に食べることはいいようです。

二つめとしては、品種改良により野菜自体の栄養素がなくなってしまったということ。

近年だいぶ見直されるようになったようですが、今までは育てやすくて、たくさん取れるということを目的に品種改良が行われており、栄養価は2の次だったようです。ですので昔の野菜よりも栄養価が低くなってしまっているということ。

最後に土の問題です。

オーガニックというのは化学肥料や農薬を使わない栽培方法で有機栽培と自然栽培に分けられます。

野菜は土の養分を吸い上げて中に蓄えるので野菜の栄養価と土というのは切っても切れない関係で、土の健康は野菜の栄養素につながり、それが野菜を食べる私たちの健康につながっていくのです。 極端なことをいってしまえば、土の健康が私たちの健康につながるということです。 慣行栽培(化学肥料や農薬を使う)から自然栽培に移行するためには何年もかけて土壌を改良して行く必要があり、周囲にもそういうものがないという条件が必要になってくるようです。

ですので、その分値段は少し上がりますが私たちはできる範囲でそういうものを選択し、頑張っている農家さんを応援し、信頼できる販売店で買うということが、自分達や次の世代の健康を守ることになるのではないでしょうか。

山本さんも「全部の食事を自然栽培のものを使うというのはかなり難しいので、1日の中で一食は、など無理のない範囲でやっていくことが大切」とおっしゃっていました。

生産者は売れるものを生産するので、私たちがどう選択するかが、未来の生産者を作るということだと思います。

少しの意識と少しの行動変化が大きく未来を変える、そのために正しい知識を手に入れる。 今回の山本さんのお話は未来を変えてくれるものだったように思います。

今回の講義をYoutubeで公開中

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