自分の健康の責任を取れるのは自分だけ
体調を崩した時、ケガをした時、病気になった時、どのような治療法を選ぶのかは主に以下の3つの要因によります。
- エビデンスに基づく治療法の選択肢
- 個々人の価値観
- 個々人の置かれている環境や医療、経済資源
1に関して一般的にお医者さんが提示する治療の選択肢はエビデンス(科学的根拠)に基づくものです。その中から2.個々人の価値観や3.環境や医療、経済資源に基づき選択するのですが、これらはお医者さんではなく、患者さん自身が把握し判断しなければなりません。
例えば、高校生のサッカー部員が膝の半月板を痛めたとしましょう。治療の選択肢としては「保存療法」「手術」があります。どんな選択肢でもメリットとデメリットがありますが、今回の場合、手術のメリットとしてはプレー復帰に掛かる期間が短い。デメリットは長期的に見た時に膝関節の変形リスクが高いことがあります。一方保存療法はその逆で、復帰には時間が掛かるが、将来的なリスクが低いことがあります。
これはどちらの治療法が正しくて、どちらが間違っているということではありません。将来のことを思えば保存療法が正しいと思えるかもしれませんが、その高校生は3年間一生懸命練習をしてきて、手術でなければその集大成を発揮できる機会を失うかもしれません。どの選択肢を選んでも最終的に責任を持てるのは唯一その高校生だけです。
今回は選択肢が二つだけですが、複数ある場合もありますし、セカンドオピニオンを求めることもできます。一律線引きは難しいですがメリット、デメリットが充分に理解できない小学生以下でなければ未成年であったとしても、将来悔いの残らない選択をするには、それら全てのメリット、デメリットをしっかり説明し、理解した上で本人が選択すべきです。医療提供側としてももちろん理解している所が多いとは思いますが、時間や人的な制約が伴い必ずしもそれに沿って実行されているとは限りません。
なので自分自身で選択肢を知り、それぞれのメリット、デメリットを知り、自分の価値観や状況に応じた選択ができることが望ましいです。だからこそ医療従事者のみならず一般の方のヘルスリテラシーが重要です。
著者:溝渕知秀 監修:濱口貴洋
投稿者プロフィール
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米国Doctor of Chiropractic
ニューヨーク州臨床免許取得
日本小児カイロプラクティック事務局長
オーツリーカイロプラクティック代表
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