カイロプラクティックについて
カイロプラクターの濱口です。
私はカイロプラクターですのでカイロプラクティックについてまずお話ししたいと思います。
日本でのカイロプラクティックについて
カイロプラクティックは日本では医業類似行為にあたり、柔道整復師や、はりきゅうあんま師、整体などと同じ分類になります。
柔道整復師や、はりきゅうあんま師が国家資格なのに対してカイロプラクティックや整体は日本では民間資格になります。
ですので日本でカイロプラクティックを行うことに対しての基準はなく、カイロプラクティックという名称を使うことやカイロプラクティックとして開業すること法律上問題はありませんはありません。
ですので、どういう教育を受けていようと今日からカイロプラクターですと名乗ればカイロプラクターです。
これは1960年(昭和35年)「医業類似行為において人体に危害を及ぼす恐れがない場合は禁止処罰の対象とはならない」とする最高裁判決によりカイロプラクティックや整体が職業として認められているのです。
世界では
カイロプラクティックは1895年にアメリカで誕生し、現在世界で最も受けられている代替医療です。カイロプラクターは世界中に10万人ほどおり、WHO(世界保健機構)にも代替医療として、カイロプラクティックと鍼の二つが登録されています。
世界中に広がるにつけて、日本のように法整備のされていない国々でカイロプラクティック教育を商業的に悪用したり、不適格者によるカイロプラクティック営業などが問題になってきました。
そのため2005年にWHOによりカイロプラクティックのガイドラインが定められました。ガイドラインの目的は
国民と患者を保護し、正規で、安全なカイロプラクティックの実施を推進するため、本 ガイドラインの目的を以下に示す。
・カイロプラクティック教育の最低限の必要条件を明示する
・ カイロプラクティックを正規に実施するための試験および免許制度の確立において、国内当局のために参考文献を提供する
・ 事故の危険性を最小限にし、治療を通じて生じる合併症のマネジメントについて告知し、安全なカイロプラクティックの実施を推進するために、禁忌症の概要を示す
出典:カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するWHOガイドライン(日本語版)
つまりガイドラインの目的は日本のようにカイロプラクティックが法制化されていない国々に対して、カイロプラクティックによって健康を害さないように作られたものです。また、日本のようにカイロプラクティックを法制化する際の参考文献としての役割も持っています。
その中でカイロプラクティックの教育基準は、
・正式なカイロ教育は全日4年制4200時間以上の教育(うち臨床実習1000時間)。
・ただし、医師、歯科医師、理学療法士等の医療有資格者は一部単位が認められ全日2~3年制2200時間以上の教育(うち臨床実習1000時間以上)でも正式に認められる。
・正式な教育ではないが期限付きの教育においては、医師や他の医療有資格者を対象とした場合、2~3年制1800時間以上の全日もしくはパート教育(うち1000時間以上の臨床実習)が最低必要である。*ただし、日本の状況にはあてはまらない。
・正式な教育ではないが期限付きの教育(CSC等)においては、3)以外の自称「カイロプラクター」を対象とした場合、2500時間以上の全日もしくはパート教育(うち1000時間以上の臨床実習)が最低必要である。*ただし受講条件あり。
出典:一般社団法人日本カイロプラクターズ協会
そして、WHOが定めたカイロプラクティックの定義は
”筋骨格系の障害とそれが及ぼす健康全般への影響を診断、治療、予防する専門職であり、関節アジャストメントもしくは脊椎マニピュレーション(アジャストメント)を含む徒手治療を特徴とし、特にサブラクセーション(神経系の働きを妨げ生理学的変化を起こす因子)に注目する。”
出典:カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するWHOガイドライン(日本語版)
というものです。
定義を見てもなかなかわかりづらいので、カイロプラクティックのアイデンティティについてみてみましょう。
世界88カ国のカイロプラクティック代表団体によって構成されるのWFC(World Federation of Chiropractic)は世界中のカイロプラクターにアンケートを行い、カイロプラクティックのアイデンティティについて調査をしました。
そこでカイロプラクティックのアイデンティティを下記のようにまとめました
・医療制度(ヘルスケア・システム)の中における脊椎ヘルスケア(医療)の専門家。
・神経筋骨格系の機能、健康全般そして生活の質を向上させる能力を有する。
・最新の研究および臨床経験に基づき、特に脊椎と神経系の関係を重視しながら検査、診断、治療に専門的なアプローチを行う。
・手技療法、体操療法、患者教育などを含みながら、特に脊椎アジャストメントを行う教育を受けた専門家。
出典:WFC Identity Consultation Survey 2005
こちらの方がわかりやすいのではないでしょうか。
カイロプラクティックを受けてみようかなという時には、これらの情報を参考にしてみてください。
著者:濱口貴洋 監修:溝渕知秀
投稿者プロフィール
最新の投稿
- ブログ2024.03.15スラックライン体験会&春のBBQ
- 勉強会2022.07.01【告知】最近の小児リハビリテーションの動向〜子供の発達〜
- 勉強会2022.06.01【告知】第3回ヘルスケアセッション&ヘルケアCafe
- 勉強会2022.05.10【告知】お金と健康の大切な話し