新型コロナとヘルスリテラシー

高知ヘルスリテラシー向上協会を立ち上げるきっかけとして新型コロナ感染拡大があります。

これまでに確認されていない新型のウイルスということで初期段階において最悪を想定して行動することは間違っていません。感染拡大を抑えようと、各国経済への打撃を承知でロックダウンを敢行しました。日本も強制力はないものの、要請と言う形で他県への移動自粛や三密となる環境を避けるよう訴えました。罰則がないにもかかわらず、多くの方が要請に従う行動様式を取り入れていったのは日本人特有の性質によるものでしょう。しかし、ヘルスリテラシー以前の問題ではありますが、その流れに従わない人を吊るし上げる犯罪染みた事例が多発していることや、マスメディアやSNSで恐怖心が伝播したことで自然と醸成された同調圧力が個々人の選択を半強制的に制限している現状は異常だと思います。

まだ長期的な影響等のデータが充分に集まっていない段階で、「コロナは風邪だ」とは言いませんが、武漢から世界に拡がり半年以上経った現状日本での新型コロナを原因とする死者数は欧米と比較するとかなり限定的です。一方日本の4-6月期のGDPは年換算で-27.8%と戦後最悪です。これまでの歴史から経済が落ち込み失職者や倒産が増えると数千人単位で自殺者も増えます。そもそも、日本ではインフルエンザでここ数年は1~3千人程度⑴、交通事故で3千人以上⑵、喫煙を原因として10万人以上⑶が毎年亡くなっています。ではこれらと新型コロナで対応のレベルが段違いに異なる合理的理由ってあるんでしょうか。

メディアは視聴率獲得が正義であることから、コロナという国民が今もっとも関心の高いテーマについてセンセーショナルに伝えます。一概にメディアが悪いというよりは、そのような原理で動いているという事実を受け止め、恐怖に煽られ反射的・短絡的に行動するのではなく、インターネット等で自身で情報を集め、脚色抜きの事実に基づいて分析、判断、行動を取ることが重要です。つまりはヘルスリテラシーを身につけましょう。

参照:
⑴PRESIDENT Online 「なんと1日50人以上「インフル死者」が日本で急増する不気味」https://president.jp/articles/-/33053?page=2 2020年2月18日
⑵警察庁「統計」https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/toukeihyo.html
⑶厚生労働省健康局総務課生活習慣対策室「たばこアルコール担当者講習会」https://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/houkoku/dl/120329_1.pdf 2012年2月27日

著者:溝渕知秀 監修:濱口貴洋

投稿者プロフィール

溝渕知秀
溝渕知秀Doctor of Chiropractic
米国Doctor of Chiropractic
ニューヨーク州臨床免許取得
日本小児カイロプラクティック事務局長
オーツリーカイロプラクティック代表